「横断歩道を渡らない歩行者は車にはねられても仕方ない」と言わんばかりの意見を目にし、これは大変だと先日ブログに書きました。
「横断歩道」の存在自体、とても歩行者のためにできているとは言えない状況ですが、散歩の途中で「渡りたくても渡れない」道路を見つけましたので紹介しておきます。
場所は、熊本県も南部の田舎町、八代市(私の住んでいるところです)
そこに高速のインターから港に向けて作られたバイパス、通称”臨港線”と呼ばれる道路が通っています。
その途中にイオン八代店というスーパーがあり、そこまでは車の通行量も多いのですが、そこを過ぎると港に向かうトラックなどしか通らなくなります。
当然、通行する車両はスピードを出しがちで、だいたい70-80kmで走行しています。もしもスピードの目測を誤りやすい老人であればあっという間に車が近づくという感覚でしょうか。
ご覧の通りの水田の真ん中ですが、左上のAという信号のある交差点から、右下のBというこれも信号交差点までの960mにわたり、横断歩道は一箇所もありません。
AB交差点の間に5箇所の脇道が交差していますが、そこには横断歩道は設けられていません。
この臨港線が開通したのは20年ほど前ですが、歩行者の通行はほとんど無いと考えられていたのでしょうか、まったく配慮はありません。
しかし、完全に「歩行者皆無」とは言えません。
実際に私自身も散歩ルートの都合上、この中の一箇所を渡った経験が数回あります。
もしも横断歩道を渡らなければいけないとして、AかBに廻ったらそれだけで1km近くを歩かなければならなくなります。
田舎道とは言え、人家もまったくないというわけではなく、工場や農家の作業場も散見され、ある程度の通行はある場所です。
このような歩行者、自転車軽視の交通行政が行われている中で、一部のドライバーに「横断歩道を渡らない歩行者は自己責任」などという浅はかな考えが存在するということには危険を感じます。