「ならず者国家」とはアメリカ自身が頻繁に使っている言葉ですが、それはアメリカにこそふさわしいというのが賀茂川さんの主張です。
すでに1990年代には北朝鮮、イラク、イラン、アフガニスタン、リビアを「ならず者国家」(rogue state)とアメリカ政府当局者が呼んでいたそうです。
もちろん、「アメリカ合衆国こそならず者国家だ」と言っている、評論家ウィリアム・ブルムのような人々もいます。
賀茂川耕助さんもそう主張しています。
今回は、アメリカのイスラエル大使館のエルサレム移転と、それに反対するパレスチナ人のデモ隊のイスラエルによる虐殺と、それに対するアメリカの態度について、「アメリカこそならず者国家」としています。
トランプが言うように、「大使館移転は決まっていたことでそれを実行しただけ」と言っても、エルサレムという場所の持つ非常に大きな象徴的意味を考えればその実行というものがパレスチナ問題に火を注ぐのは当然です。
しかも、それに抗議するパレスチナ人デモ隊に発砲を繰り返し多くの人々を虐殺しているイスラエルに対し世界各国が国連で決議をしようとしても拒否権行使をしているのはアメリカです。
まさに「ならず者国家」と言われても間違いのないところでしょう。
イランの核問題でも収束の道を歩み始めたところを崩してしまい混乱を弄んでいます。
北朝鮮情勢でも一見和平交渉のように見えますが、これまでさんざん煽っておいて交渉の場に引き出すようなことをするのが、外交交渉術だとても言うかのようなトランプ流のやり方も十分に、「ならず者」と呼ぶのがふさわしいでしょう。
なお、「rogue」という言葉を日本では当初は「ごろつき」と訳していたそうですが、それではあまりに品が悪いということで「ならず者」としたそうです。
アメリカ自身に対しては「ごろつき」で良かろうと思います。