渡辺宏さんの「安心?!食べ物情報」で、今週も鶏肉を生食し食中毒と言う事故の紹介がされていました。
http://food.kenji.ne.jp/review/review965.html
渡辺さんはガン治療闘病中ですが、毎週1回はこのHPを更新、全国の食品関係の事件事故を紹介されています。
今回の事件も毎週のごとくに起きている、飲食店で鶏肉を生食させて食中毒と言うことですが、その報道をした新聞の書き方にも問題点を発見しています。
高知市は15日、市内の居酒屋「飲み食い処 せい和」で食事を
した20~40代の男性4人が下痢や発熱などの症状を訴え、全員
から食中毒菌のカンピロバクターを検出したと発表した。うち1人
が入院したが、4人とも快方に向かっている。市によると、加熱用の鶏肉を生食用に提供したことが原因とみら
れる。4人は同じグループで、4月28日に鳥の刺し身などを食べ
た後、4月30日~5月1日に発症した。市は15日から4日間、
営業停止処分とした。
これは産経新聞の記事からの引用のようですが、この中で
「加熱用の鶏肉を生食用に提供した。」と書かれている部分に、渡辺さんはこのように批判を加えています。
「加熱用の鶏肉を生食用に提供した」という記事を読めば、普通
の人は鶏肉には「加熱用」と「生食用」の二種類があると思います。というより、この記事からはそうとしか読めません。
当たり前の話ですが、鶏肉はすべて加熱が前提で、生食用鶏肉と
いうものは存在しません。したがって、上記記事の
「加熱用の鶏肉を生食用に提供した」
は
「一般に加熱が必要な鶏肉を生で提供した」
と訂正すべきだ、という話です。
渡辺さんのおっしゃる通り、鶏肉にはそもそも「生食用」などというものはありませんので、わざわざ「加熱用鶏肉」などと記す必要もないわけです。
記事中にも取り上げられているように、現在日本国内で生食用の肉が流通している(ということは生食用肉の品質基準が存在する)のは馬肉のみです。
他の肉類は加熱用しか流通しておらず、特に鶏肉は非常に高い割合でカンピロバクターなどの食中毒菌が含まれているのは様々な調査研究で証明されています。
おそらく、報道する新聞記者もその実態についての認識が甘いのでしょう。
我が家の近くの居酒屋などでも鳥刺しなどを堂々と出している店もあるようです。
これが危険という認識はいつになったら行き渡るのでしょうか。