爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

右翼の連中が自衛隊について改憲と言い張るのでまともな憲法改革論議ができない

5月3日の憲法記念日にあたっては、改憲派護憲派という人々がそれぞれ主張を繰り広げますが、自民党を中心とする改憲派の連中が自衛隊と軍事のことのみに限ったかのような論議をするために、それに反対する人々は護憲としか言いようがなく、憲法のその他の問題点についての議論ができなくなってしまいます。

 

現行憲法の問題点は他にも数多く山積しており、もちろん自衛力と軍備の問題もありますが、それ以上に国の形に関わるものもあります。

 

日本国憲法

 

それらについて、思いつくままに触れてみましょう。

 

まず、全体としてですが、憲法というものの性質上細かい点にまで触れることはなく、

「法律の定めるところにより」という文章で済ませているところが多いと言うことがあります。

これが実は官僚の専横の元になっているのではと感じます。

 

次に、間違いとは言えませんが第1章が天皇というのは時代錯誤でしょう。発布時には大問題であったのでしょうが、今では違和感のみです。

やはり、国民主権ということを第1章に置く必要があるでしょう。

 

三権分立と言うものが制度上極めて弱くなっていることも多くの問題点の根源となっています。

安倍一極集中と言うことが抑えられないという制度の欠陥が憲法に発するとも言えます。

 

基本的人権については現代としては記述が少ないと感じさせるものです。

さらに、憲法改訂をやりやすくさせる制度変更は必要かもしれませんが、基本的人権については改憲を許さないといった制度強化も考えるべきでしょう。

 

国会と言う制度、選挙制度等、このままで良い訳はありません。

選挙制度も法律で定めるとなっているために、選ばれる立場の国会議員たちが自分たちの都合の良いように選挙制度を決めるという、「盗人が刑法を定める」かのような状況になっています。

二院制が必要なのかという段階からの考察が必要ですし、両院の選挙制度が同じようなものである必要があるのかも問題です。

アメリカの上院は、各州から2名というものであり、人口に大差があってもそれを守っています。

これは、「合州国」であるというアメリカの政治体制から由来する制度ですが、それはそれで理屈のあるものでしょう。

しかし、日本の衆参両院は各地域から人口比で選ばれるという原則は共通であり、わずかに衆議院優越という規定はあるもののほとんど差がないためにねじれ国会になった時の政治沈滞はひどいものとなります。

ここは参議院は別の原則で議員を選ぶ代わりに衆議院の優越性を大きくするといった改革が必要でしょう。

また、衆議院小選挙区比例代表並立という選挙制度は最悪に近いものとなっています。

公正というものを標榜するならば大規模な改革が必要であり、その点について憲法で規定する必要もあるかと思います。

衆議院の解散ということも見直しが必要でしょう。安倍のように私利私欲のために解散連発といったことが許されて良いはずがありません。

 

改めて憲法条文を見てみても、あまりにも曖昧な記述しか無いことに気づきます。

これこそが、9条を除いては憲法改訂を必要としなかった理由ですが、それが現在の一見法治国家、実は行政指導国家という実態に至った原因でもあります。

もっとしっかりと憲法に書き込んで、それは絶対に守るという法治国家としての姿勢を確固とすることが日本というフラフラ国家にとって必要なことと思います。