爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「世界全戦争史」柘植久慶著

世界の歴史とは戦争の歴史であると言えるでしょう。

戦争のことを考えずにいるのは危険なことだということです。

そこで、歴史上の「全」戦争を紹介しようということなのでしょうか。

 

「全」という割には取り上げられていないものもあるようです。

最初の戦争は「トロイ戦争」から始まっています。

中東の神話の戦争から始まるのであれば、中国の伝説に近い牧野の戦いはなぜ触れられていないのでしょう。

中国の戦争はようやく陳勝呉広の乱から始まります。秦に反乱を起こした最初のものですが、それ以前の史書に詳しい春秋戦国時代の大きな戦いは載せられていませんでした。

(春秋の時代の晋と楚の間の大戦や、戦国時代の長平などの大きな戦いなど)

国史ファンの私としては、これで全戦争紹介などとは言ってほしくないところです。

 

それでも、全部で321の戦争を紹介ということで、ほとんどのものは1ページに簡単な紹介文と関連地図1つというものです。

長かったもので第1次世界大戦の3ページでした。

これだけ見てもあまり参考にもならないようです。

その割に、保元の乱平治の乱といったせいぜい小競り合いというものも同列に紹介されており、ちょっとバランスが悪いとも感じさせました。

 

まあ何のために書かれたのか意図が分かりにくい本です。

これで税別3000円という本ですが、まあ図書館で無料で読ませてもらうだけなのであまり文句も言う資格はなさそうです。お薦めはできませんが。

 

世界全戦争史

世界全戦争史