爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

麻生太郎財務大臣の発言 セクハラ擁護よりはるかに問題な景気認識

セクハラ事務次官を擁護するような発言連発ということで、世間の批判を集めている麻生太郎財務大臣ですが、そんなことよりははるかにひどい発言をしています。

 

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景気が良くなっているのに悪くなっているのは能力が無いからだという趣旨でしょうが、これが本心であるとするならば、あまりにも経済政策というものの認識が欠如しているということであり、このような人物が経済通として財務大臣になっている安倍内閣というものの性格を露呈しているということでしょう。

 

日本国全体の経済や景気というものを論じるということが、すでに完全な時代遅れの考え方となっていることをまだ認識していない人もいるようですが、世界全体を見ても、日本全体を見ても、そのすべてを持ち上げるような景気回復というものはありえません。

せいぜいがゼロサムゲーム、悪くするとマイナスサムという中で、社会の中のある部分にそれ以外の大部分からの財をかき集めて乗っけることで、そこだけ景気が良いように見せるというのがアベノミクス景気回復の正体です。

 

空前の利益を上げている大企業や、株式投資家がその当事者です。

それ以外の大多数の国民、中小企業の下請け業者、そこの労働者、大企業でも非正規従業員、そういった人たち相手の小売業者、年金生活者、といった人々は少しずつ(大金を取られることもありえないので)負担を増やされて苦しくなっています。

彼らが、麻生の言うように「運がないか、経営能力がない人々」でしょうか。

 

このような財務大臣としてあるまじき認識を恥ずかしくもなく自ら暴露してしまうのが政府中枢の実態です。

セクハラ認識が甘いことなど、これと比べれば微々たるものと言えるでしょう。