池上さんらしからぬ題名ですが、冒頭にその言い訳が書いてあります。
なんとも下品な表現で本来は私の趣味に合わないのですが、週刊文春のコラムで思わず使ったところ、書籍にするに当たって編集者がぜひこのタイトルに入れましょうと主張、つい受け入れてしまいました。
この発言をしたのは、2017年5月の読売新聞の記事を呼んだからです。
(中略)
文科省の前川喜平前次官が記者会見を開いたところ、読売新聞記者が「在任中に知った情報を公表するのは国家公務員守秘義務に違反するのではないか」と尋ねたのです。
(中略)
この記者は「在任中に知ったことを話すと法律違反になるぞ。当局に都合の悪いことは喋るな」と脅しているのです。
このような、ジャーナリストの何も値しないような新聞記者が大手を振っているのを見て、どうしても「おい、マジか。」と言わなければならないということです。
他にも昨今はこのような事例が次から次へと吹き出してきます。
取り上げられているのは、
安倍首相に忖度し放題。
まさかの結果となったアメリカ大統領選。
過剰に煽られる朝鮮半島情勢。
EUのホンネと建前。
トルコ・エルドアン、フィリピン・ドゥテルテ、等々カリスマか独裁者か分からないようなリーダー続出。
さまようマネーのグローバル資本主義、等々となっています。
韓国の情勢についての指摘も興味深いものです。
日米の北朝鮮警戒感が暴走と言えるほどなのですが、韓国ではそれほど大きなものではないようです。
ミサイル技術の向上で、「アメリカを焦土に」とかいった宣伝が現実味を帯びることで、危機感が強まっているのですが、韓国から見ればこれまでもずっと「ソウルを火の海に」と言われ続けてきたのですから、改めて新しいことを言っているという気にもなれず、「またか」という冷めた感覚のようです。
それより韓国国民にとっての大問題は高い失業率と若者の就職難。
文在寅が大統領に当選できたのは、「公務員として81万人を雇用する」と公約したからだそうです。
その財源として5年で2兆円が必要とか。思わずギリシア危機を思い出させるようなものです。
確かに、目を疑うようなニュースが次々と表れてくるようです。
おい、マジか。 池上彰の「ニュースを疑え!」 (文春e-book)
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