爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「マンガ はじめての嘘の心理学」ゆうき ゆう監修

マンガ入りの本というのはあまり手にとることはないのですが、嘘と心理学というのは興味ある分野ですので読んでみました。

監修が精神科医のゆうき ゆうさんということですが、マンガは漫画家のすぎやま えみこさん、おそらく執筆は専門のライターたちだと思います。

 

嘘といっても、病的な嘘、社会を円滑にする嘘といったものから、嘘をめぐる深層心理、さらに恋愛を成就させる嘘のテクニックといったノウハウ?までかなり広い範囲を扱っていました。

 

まあ恋愛テクニックなどはもう縁がないので、あえて触れませんが、興味を覚えた脳の作用というところだけでも紹介しておきます。

 

以前にも専門家の本を読んだことがありますが「錯視」という現象も嘘といえばたしかに嘘でしょう。

しかし、それを信じてしまうのは脳の働きがあるからです。

ただし、錯視と言ってもその原理は多数あり、それぞれ脳の働きも異なるようです。

また、幼児の記憶というものは「作られる」というのも有名な話で、アメリカで1980年代に幼児虐待を受けたという訴えが頻発し無実の親を有罪にしたということが起きましたが、これも記憶は作られるという現象であることが分かっています。

 

医薬品の効き目に大きな影響がある「プラシーボ効果」というのもこの一種です。

薬効がないとされる薬でも医者が与えると飲んで効く患者がいるというのは間違いない事実であり、生体の機能の一つなんでしょう。

 

考えてみれば、嘘なしでは動かないのが人間社会なのかもしれません。

 

「なるほど! 」とわかる マンガはじめての嘘の心理学

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