爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

裁量労働制範囲拡大の問題で何が問われるのか

いわゆる働き方改革を目指す法案に向け、これまで政府が唱えていた裁量労働制の方がかえって労働時間が短くなるというデータがまったくのデタラメであったことが判明し、さらにこういった法案の根本に関わるデータの信頼性が揺らいでいます。

 

www.tokyo-np.co.jp

野党側はここに集中して攻撃を強めており、今後の予測が難しい事態となっていますが、ここで表れているのは、政府自民党と官僚との密着ぶりとその中で見えてきている官僚のレベルダウン、暴走ぶりだということを忘れてはいけません。

 

長年の55年体制で培われてきた、行政を行うのは官僚であり自民党はその邪魔はしないという暗黙の了解は、あの一時的な政権交代の間でも揺らぐこともなくスムーズに政権奪還を果たさせたという成果を見せてきました。

 

しかし、昨年の森友加計学園問題にも見られるように、これまで大過なく(そのように見せかけるだけとしても)こなしてきたような官僚制もあちこちにほころびが出てきているようです。

昨年の問題では法律の許す限り(というか、自分たちで勝手に決めているだけのことですが)いかに公共道徳に反しようとやりたい放題でも辻褄だけは合わせると言うことは最低限守ってきたようですが、今回のデータ改竄はいかにも程度の低いやり方です。

 

自民党がこれまで自分たちの利益直結のところだけはゴリ押しして、あとは官僚側のやりたいようにさせていたという、政権の体制の歪みがあらわになったということでしょうか。

どうも自民党の緩み歪みというところはこれまで同様に存在するという問題以上に、官僚の自利自益のための行動というものをどうにかしなければならない状況であることがはっきりとしているということのようです。