社会の隅々まで法律で決まっていることが多いのですが、意外に一般の人々はそういった法律について知らないことが多いようです。
弁護士の間川さんが、様々な事例について法律の本当のところはどうなのか、分かりやすく解説をした本です。
法律に関する「都市伝説」とでも呼べるような話が流布しています。
たとえば、「飲酒運転をしていても、捕まったその場で酒を飲めば許される」なんていう話がまことしやかに語られます。
実は、このようなことをしても意味が無いどころか、非常に心証を悪くするのです。
飲酒運転をしたかどうかはその場のアルコール濃度だけで決まるわけではなく、その場での警察官による判断や、直前の行動の取り調べなどで総合的に判断されます。
当然のことながら、「なぜその場で酒を飲んだか」ということも判断の根拠にされるので、全く逆効果になります。
芸能人やスポーツ選手の結婚、離婚、不倫などの話題が溢れていますが、離婚したあとの子供の養育費や慰謝料などは非常に高額になる場合があるようです。
これも法律で決まっているわけではないのですが、裁判や調停などでは収入に応じた金額が決まることになるので、高額所得者の場合はとんでもない金額になることもあるようです。
少し前に、ある男性アイドルが夜中の公園で全裸になったという事件がありました。
誰も見ていないような真夜中の公園で裸になっても「公然わいせつ罪」になるのかという疑問がわきますが、「不特定多数が認識しうる状態」ならば成立するそうです。
逆に、限られた人が出席する宴会の席で裸踊りをしても「不特定多数」ではなく「特定少数」なので実際に裸になって踊っても「公然わいせつ」ではないということになります。
「合法ドラッグ」なるものが売られているがこれは犯罪ではないのかという問題になりますが、あくまでも法律で禁止されている薬物でなければ現状では「合法」と言わざるを得ません。
法律には書いていないけれど、麻薬と同じような作用をするから取り締まれということはできません。
それは、日本が「罪刑法定主義」を取っているからです。
したがって、取り締まれない物質が出回ればすぐに法律を改正する必要があるのですが、なかなか追いつかないのが実状です。
法律というのは確かに社会の基本と言えるのですが、詳しくは知らないというのが普通かもしれません。やはり知っておく方が良いのでしょう。