爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

微生物の話 番外編 Corynebacterium ulcerans

www.sankei.com人と動物で共通に感染する「人畜共通感染症」という病気があることがクローズアップされており、少し前の死亡例ですがペットから感染した女性が死亡していたということが発表されました。

 

その病原菌が「Corynebacterium ulcerans」でした。

Corynebacteriumという微生物の属は、他にもジフテリア菌も含んでおり、病原性がある菌群といえますが、他にもアミノ酸グルタミン酸を作り出す「Corynebacterium glutamicum」も属しています。

 

かつての勤務先の発酵会社では、昔にグルタミン酸の発酵生産ということを業務としていたために、その生産菌も研究所には残っていました。

そのため、この属の菌も取り扱ったことはありました。もちろん病原性が無いものでしたので心配はありませんが。

 

このコリネバクテリウムという微生物は、大きな分類では「放線菌」というグループに属しており、ストレプトミセスやアクチノミセスといった「繊維状の菌糸を長く伸ばし、胞子をつける」といったものと近縁の微生物です。

コリネバクテリウムには菌糸を伸ばすものはなく、見たところは他の単細胞微生物の外観と同様です。

コリネバクテリウム属 - Wikipedia

 

それにしても、この「人畜共通感染症」というものは現代のようにペットの飼育が室内で密接な接触が増えている状況では問題となるものです。

あまり可愛がりすぎるなということもできませんが、ペットのよだれなどに触れたり一緒に寝たりといった行動には注意すべきでしょう。