www.sankei.com人と動物で共通に感染する「人畜共通感染症」という病気があることがクローズアップされており、少し前の死亡例ですがペットから感染した女性が死亡していたということが発表されました。
その病原菌が「Corynebacterium ulcerans」でした。
Corynebacteriumという微生物の属は、他にもジフテリア菌も含んでおり、病原性がある菌群といえますが、他にもアミノ酸のグルタミン酸を作り出す「Corynebacterium glutamicum」も属しています。
かつての勤務先の発酵会社では、昔にグルタミン酸の発酵生産ということを業務としていたために、その生産菌も研究所には残っていました。
そのため、この属の菌も取り扱ったことはありました。もちろん病原性が無いものでしたので心配はありませんが。
このコリネバクテリウムという微生物は、大きな分類では「放線菌」というグループに属しており、ストレプトミセスやアクチノミセスといった「繊維状の菌糸を長く伸ばし、胞子をつける」といったものと近縁の微生物です。
コリネバクテリウムには菌糸を伸ばすものはなく、見たところは他の単細胞微生物の外観と同様です。
それにしても、この「人畜共通感染症」というものは現代のようにペットの飼育が室内で密接な接触が増えている状況では問題となるものです。
あまり可愛がりすぎるなということもできませんが、ペットのよだれなどに触れたり一緒に寝たりといった行動には注意すべきでしょう。