偽装死、すなわち自殺や事故、殺人被害者などとなって死んだと見せかけ別の人間になりすまして生きていくということです。
日本でもあることなのかもしれませんが、アメリカでは結構あることのようで、事件として有名なものもいくつもあるようです。
著者のグリーンウッドさんも、大学と大学院時に借りた学資ローンが10万ドルにもなってしまい、これを返し続ける人生がどういうものかと想像しただけで嫌になり、偽装死をして別の人生ができないかと考えてみました。
(という、本の構成になっていますが、本当かどうかは知りません。脚色かも)
イギリスのストックトンというところで刑務所の刑務官をしていた、ジョン・ダーウィンは借金を抱えておりなんとかしたいと思いました。
そこで、妻と共謀し自分に多額の保険金をかけ、カヌーで海に出たまま遭難したように見せかけ、他人になりすまして海外に出ました。
しかし結局は出頭し逮捕されました。
マイケル・ジャクソンが実は死亡しておらず生きていると信じている人も多数居るそうです。
エルヴィス・プレスリーもそうだと信じられていました。
実際にそういうことをした人もいたからでしょうか。
9.11のテロの際には、刑事訴追されている者や、多額の借金を抱えている者など、非常に多くの人々がそこに居合わせたことにして「本人からの捜索願」が出されました。
犠牲者の総数は2801名だったのですが、捜索願は6000件以上あったそうです。
うまうまと保険金を受け取った人も何人もいました。
著者はその後、つてをたどってフィリピンに出かけ、死亡証明書を入手することに成功します。
賄賂を使い政府関係者から入手した分と、偽造したものとを合わせ一応ひとそろい手にしました。
もちろん、専門の保険調査員に見せたら一発で見抜かれたようですが、その用途(保険請求)に使わなければなんとか使えたのかもしれません。
それでも、実使用はあきらめて学資ローンは着実に返すことを決めたそうです。
- 作者: エリザベスグリーンウッド,Elizabeth Greenwood,赤根洋子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/05/15
- メディア: 単行本
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