爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

渡辺宏さんの「安心?!食べ物情報」で食中毒頻発のニュース 

いつも参考にさせて頂いている、渡辺宏さんの「安心?!食べ物情報」は毎週日曜に更新されますが、今週の記事では食中毒関連のニュースが盛り沢山です。

http://food.kenji.ne.jp/review/review931.html

 

群馬や埼玉などで病原性大腸菌O157の食中毒の原因が疑われた惣菜店が店舗をすべて閉店するそうです。

 

埼玉、群馬両県で系列総菜店「でりしゃす」の商品を食べた人が
腸管出血性大腸菌O157に感染し集団食中毒を起こした問題で、店
を運営するフレッシュコーポレーション群馬県太田市)は20日、
でりしゃす」全17店を閉店したと発表した。

まあ、あまりにも大きな事件でしたので仕方のないことかもしれませんが、原因究明ができなくなるというのは残念な話です。

しかし、同じ型のO157が他にも各地で見つかっている話もあり、解明が必要でしょう。

 

その他にも各地で様々な細菌での食中毒が起きています。

興味深い?のは「セレウス菌」での弁当食中毒事故が起きたとか。

セレウス菌というのは、Bacillus cereusという微生物によるもので、これは枯草菌、納豆菌などと同じような内生胞子を作る微生物で、まあどこにでも居るものです。

その割に食中毒の原因となることは少ないようですが、毒素の病原性がそれほど強くないのかもしれません。

それでもこういった事故が起きたのは、弁当の作成後の管理が悪かったのでしょうか。

 

また、相も変わらず鶏肉の生食によるカンピロバクター食中毒が起きています。

佐世保市の居酒屋の事例は料理名が「ささみのレア焼き」ということですから、確信犯でしょう。

 

渡辺さんの記事にはもう一つ、「■焼鳥用品種「高坂和鶏」はなぜウマいのか」という雑誌記事を紹介して批判しています。

 

「朝じめだから新鮮で安心」とか、「食中毒菌が一切検出されない、完全無菌の鶏を使っているから。」とか、まったく非科学的な言い分をそのまま書く提灯持ち記事を書く記者も批判しています。

 

カンピロバクターという菌の特性については、私も以前に解説したことがあります。

sohujojo.hatenablog.comここで忘れてはいけないことは、カンピロバクターは動物の腸内でなければ生きられず、屠殺され大腸が空気にさらされるとすぐにカンピロも死滅してしまうこと。

そして、カンピロバクターが腸内に居るとしても鶏は至って健康であるということです。

つまり、どんなに健康そうに見えてもその鶏は保菌している可能性が高いこと、そして屠殺(朝じめだろうと)すると「その直後が一番カンピロバクターの存在率が高い」ということです。

 

渡辺さんの記事にも

肉を生で食べるのは、「新鮮なものほど高リスク」という指摘は
覚えておくべきですね。

とあります。これが一般の方(業者も含め)の感覚とは違うところかもしれません。

 

なお、この記事には食中毒関係以外にも、「コンビニ店員に”外国人技能実習生”を」という要請がコンビニ業界から出てきたということが紹介されています。

外国人技能実習生といえば、名前は良いものの実態は奴隷状態ということで有名なものです。

コンビニの人手不足と言うのもひどいもののようですが、それも最低賃金ギリギリの安い給料で希望者がいないだけの話です。

国の恥を内外に広めるだけのようです。