爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

健康食品などの「体験談広告」ようやく規制か。FOOCOM.NETに松永さんが紹介

健康食品などのCMに多用されている「これは消費者の体験談です」という手法がようやく規制されるかもしれないという、話がFOOCOM.NETで松永和紀さんによって紹介されています。

 

www.foocom.net

こういう広告手法を「打ち消し表示」と言うそうです。

誰もがご覧になった記憶があるはずですが、テレビや新聞雑誌のCMなどで、素人のような出演者が(これも怪しいと思うんですけど)「これは効きました」なんて話しているとその画面の隅の方に「これは個人の感想であり効果を保証するものではありません」などという言い訳が表示されるというものです。

おそらく健康食品に限らず多くの個人向け商品で多用されているはずです。

 

松永さんの記事によれば、この「打ち消し表示」に対し、7月14日に消費者庁が実態報告書を出したそうです。

今回の報告で画期的なのは、実際に消費者庁がこの手法のモデルケースを作り、それを一般の人に提示してその反応を調べた所だそうです。

 消費者庁の今回の報告書が画期的なのは、広告(新聞広告と動画広告、ウェブ広告)約500点を集めてどのような打消し広告があるかを解析し、そこからデモ広告を作り、ウェブアンケート調査で消費者1000人に見せて、どのように認識したのか調査を行った点だ。これにより、消費者が初めて広告を見たときに、なにを見てなにを見ないのか、打消し表示がどう受け止められているのかがわかってきた。

 

その結果を見ると、がっかりするようなものです。

 これを、消費者1000人に見せた。すると、44.3%が4つのコメントのいずれかに気づいていた。一方、90.3%は、打消し表示を見落としていた。

 

 では、消費者はこの体験談広告を見て、製品のダイエット効果はどれくらいと認識したのか?
 広告を見て体験談に気づいた回答者(443人)の53.0%は、「『体験談と同じような効果』が得られる人がいる」と思うと回答し、42.2%は「『大体の人』が効果を得られる」と思うと回答した。
 「自分に効果がある」と思うと回答したのは、39.3%だった。

 

つまり、多くの消費者が、CM業者の思惑通りに体験談を事実と認識してしまっているということです。

 

この報告書をどのように消費者庁が使うのかというのはまだ不明です。

しかし、松永さんは消費者庁はかなり本気のようだと感じています。

これを「ガイドライン」のように使う可能性もあるとか。

 

もしかしたら、CMの雰囲気もガラリと変わってくるかもしれません。

それにしても、消費者のレベルの問題かも。