爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「日本は、」G.D.グリーンバーグ著

著者のグリーンバーグさんはアメリカ出身で大学で経済学を教えていたそうですが、詳細は自分でも明らかにしていないものの40年ほど前に大学を追われ日本にやってきたそうです。

 それからずっと日本の大学で教えて過ごしてきたそうですが、日本に来て感じた日本文化や習慣など公平な感覚で見られているようです。

アメリカのことは善悪含めて精通しているので、そちらの影響も正確に判定しています。

 

そのようなグリーンバーグさんですが、ツイッターで数多くのつぶやきを残しています。

それが秀逸ということで、まとめて本にするということになったそうです。

 

本はほとんどすべてが「つぶやき」のみという構成で、解説も何もありません。

さすがに、まだそれほど時が離れていないため、何についてのつぶやきかということもそれほど無理なく想像することができますが、しばらくするとそれも分からなくなるかもしれません。

 

万葉集など、古代の和歌集には「詞書(ことばがき)」という、その歌が詠まれた背景や解説などが付記されていますが、ツイッターもまとめる際は詞書が必要になるかもしれません。

 

どれもなかなか鋭い一刺しのつぶやきばかりですが、中からいくつか選んでみました。(私の独断の選考です)

 

☆日本人女性の美しさ、「近くに行くのにも化粧をして着飾る手間と金を惜しまない」と世界の女性に賞賛される。しかし世界の女性は小声で囁く。「なぜ?美しい黒髪の色を変え、きれいな地肌を化粧で隠し、体臭もないのに香水を付ける。なぜ?」

 

☆「日本人ばなれしたー」なんと自虐的な表現!

 

☆すべての神秘主義を否定する私としては占いの類が嫌いである。ワイドショーの星座占いですら不愉快だが、心から憤慨したのは、加入していた大手生命保険の冊子内の占いコーナー。保険というシビアに未来を見つめる立場から占いを見せられ、私はその保険を解約した。

 

☆世界の下品。イギリスのゴシップ誌、日本のエロ本、そしてアメリカ人そのもの。

 

☆アメリカはいつも日本に「規制緩和」を要求するが、それはたとえば医療保険のように米企業が大手を振って参入するために他ならない。ただ日本にもそういう例があって、宮内義彦氏による「規制緩和」「行政改革」の後にはオリックスが大手を振って参入している。

 

☆日本人が思う世界はアメリカ。アメリカ人が思う世界もアメリカ。

 

ジャイアンツが主導し、ジャイアンツが得をする逆指名ドラフトは(一応)崩壊した。自民党が主導し自民党が得をする小選挙区制、比例代表制も崩壊させられるはずだと信じたい。

 

☆つくづく思うが日本のロックの歌詞における英語の貧しさ。発音がひどい。意味がわからない。意味がわかっても前後の文脈とあっていない。合っていても田舎の中学生のような言葉遣い。作詞をしている若者ははっぴいえんどブルーハーツの高潔な日本語歌詞を知らないのだろうか。

 

 

いやあ、本当にお上手。こういったつぶやきが他にもどんどんと並んでいます。

しかし、これだけ粒ぞろいのものを書いていくのも相当大変なのでは。

ご苦労様です。出版時には83歳におなりだそうです。

 

日本は、

日本は、