曹洞宗僧侶ですが、その経歴はいろいろとあったという藤田さんが、詩人でありながら最近は仏教関係の書籍も多数出版されている(ただし、坐禅には挑戦はしたものの上手く行ったことがない)伊藤さんと、坐禅や仏教そのものについて対談したという、会話記録のようなものです。
伊藤さんは仏教関係の書物を書かれているとはいえ、仏教というものを詩人らしく言葉で理解しようとしてきました。それを坐禅という言葉以外のもので伝えようとする手段によって理解させてきた藤田さんが対決?しどのようなことになったのか、結論ははっきり出ているわけではないので、その対話の課程を楽しもうという本になっています。
そもそも仏教とは、禅とはといったところから話が始まるのは已むを得ないでしょう。
もうほとんどすべての読者たちもそういった知識は持っていないでしょうから。
仏教とは、ゴータマ・シッダールタがああしてこうして、ということろから始まり、さらに禅というものがどこからどうなって、というのが基本知識のところです。
続いて、伊藤さんはこれまでも何度か坐禅をする機会があったものの、何か上手く行かないという体験をして来られたのですが、それがなぜか、どうすればよいのかといった話を藤田さんが誘導していくこととなります。
藤田さんも長い修行時代を経ているわけですが、坐禅のやり方、教え方も指導者によってかなり変わるそうです。
しかし、あくまでもやらされるのではなく自発的に禅に取り組むということが大切なようです。
坐禅は決して苦行ではなく、楽しいと思えるものでなければならないというのは、体験者から聞かないとわからないものでしょう。
坐禅というもののイメージを変えてくれた本だったかもしれません。