食品関係でここで度々取り上げるのが、食中毒の他には健康食品、サプリの問題点ですが、どうも問題点ばかりが目につく割には社会の関心が薄いように思えますので、気がつけばしつこく書いていきたいと思います。我慢してお付き合いください。
今回の問題は、FOOCOM.NET専門家コラムで瀬古博子さんが取り上げている「葉酸サプリ」の問題点です。
「葉酸」と言ってもなかなか知られていないものかもしれませんが、レバーや緑黄色野菜に含まれているという、ビタミンの一種です。
水溶性ビタミンですので、過剰摂取による害は比較的少ないと考えれていましたが、蕁麻疹、発熱、呼吸障害の他、悪性貧血を起こすと言われています。
その摂取量は成人で1日200マイクログラム、妊娠可能性のある女性で400マイクログラムということですが、上限量が1000マイクログラムとあまり差がない量になっています。
それが、瀬古さんの記事によればサプリの1日摂取量が上限量に近いものもあるとか。
他の食品からの摂取も考えればそのサプリを飲むと上限量以上を摂取してしまう可能性もあります。
また、葉酸が特に必要なのは妊娠前から妊娠後3ヶ月までの間であり、それ以降は摂取してもしょうがないのですが、サプリの商品のイラストには妊娠後期の女性の姿が書かれており、その事実も誤認させる可能性があるようです。
なんとなく「妊婦には葉酸」という程度の知識しか持っていない場合は出産間近までサプリを飲んでしまうことにもなりそうです。
この記事で瀬古さんが書かれているように、サプリで一番問題となりそうなのは、「過剰摂取」であろうと思います。
「毒にも薬にもならない」程度の健康食品であれば、まだ危険性は薄いのかもしれませんが、なまじ身体に効果があるものだとこちらの危険性が問題になるだろうと思います。