元東京都知事の猪瀬さんが、石原東京都知事時代に副知事に任命された当時の2008年に出版された本です。
その後、石原の後を継いで東京都知事に就任したものの、献金疑惑で辞職しました。
その経過を見てあとからこの本を読むと、なんと偉そうに書いたものよと思いますが、その辺も読書の楽しみです。
この本は様々な方面の専門家など10名の方と猪瀬さんが対談をしたものに手を加えて書かれています。
10人の中にはなんと小池百合子さんも含まれており、その後の成り行きを考えると運命のおかしみを感じます。
なお、小池さんとの対談は小泉内閣で防衛大臣としてわずかながら(55日間)入閣したものの辞職をやむなくされた顛末についてのことでした。
10人のテーマを大まかにまとめ、「都市の未来を変える力」「国と地方を変える力」「日本の教育を変える力」「外国人と考える日本を変える力」に分けられています。
都市の未来というテーマでは、建築家の安藤忠雄氏など。
国と地方では、東国原宮崎県知事(当時)や前記の小池さんなど。
教育では、民間人出身の中学校長として有名だった藤原和博さんなど。
まあ細かいところを見ればこれはどうも、と感じるところも多々ありますが、省略。
猪瀬さんが話している部分で、ちょっとこれはどうにも。というところを抜粋して紹介するに留めます。
「僕は、50歳位になったら、培ったものを社会に還していくという考え方をしていくべきだと思っているんです。50歳になったら、60歳、70歳でも良いんですけど、社会にお還ししていくというかたちで考えたい。だから、道路公団民営化のときもほとんどお金はもらっていません」
ここだけ見ていれば良いことを言っているんですけどね。
あとの騒ぎを思うと、なんだこれと感じますが。
結局、地位と欲に振り回されたんでしょう。