爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「NHKスペシャル MEGAQUAKE巨大地震」NHKスペシャル取材班、主婦と生活社ライフプラス編集部編

NHKスペシャルという番組の中で、巨大地震というものを扱ったものは何度もありますが、この本は2010年に4回シリーズで放映されたものを書籍化したものです。

 

したがって、まだ2011年の東日本大震災は発生する前の状況を扱ったものですが、それを警告するような内容も含まれているとも言えます。

 

 マグニチュード8以上の巨大地震をメガクウェイクと呼ぶそうです。

 

この本に紹介されているNHKスペシャル番組製作当時にはだれにも記憶に鮮明な大地震と言えば阪神淡路大地震でした。しかしその地震でもマグニチュードは7.3、それがM8以上といえば大変な大地震というイメージだったのでしょう。

 

さすがにM8以上の地震といえばそう頻繁に起きることではありません。

1000年に一度という頻度ということは、東日本大震災の後にも言われていました。

しかし、考えてみると1000年に一度であればアメリカなどはネイティブアメリカン(インディアン)の人々以外はまったく知られていないものです。

この本の冒頭、シアトルは地震のことなどまったく考えられずに作られていることが紹介されています。

しかし、先住民のマカ族の伝承には地震が描かれているとか。地質学的調査でもわずか300年の周期で地震が起きていたことが分かっています。次の地震ではどうなるか。

 

この時点での最大の危機予測は南海トラフ地震でした。

その危険性の描写が長く記述されています。

それは現在でもさらに可能性を強めてきています。

特に怖ろしいのは揺れの激しさもさることながら、東日本大震災同様に津波被害です。

前回の南海地震終戦直後であったために、詳細があまり知られていませんが、高知でも6mの津波に襲われています。

しかもその時の地震規模は小さめだったのですが、それが大きければさらに被害が出るでしょう。

 

そのときには大阪周辺でも津波被害が出ることが予測されます。

その場合には都市の脆弱性とも重なりさらに大きな災害となるでしょう。

 

その後もNHKスペシャルでの地震特集は何回も制作されているようです。

 

これだけ危険性を強調されているのですが、どうも人々の反応は鈍いもののように感じられます。

厳しい現実の前にはまともな思考力が失われるのでしょうか。

 

NHKスペシャル MEGAQUAKE巨大地震―あなたの大切な人を守り抜くために!

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