爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

問題のある東京オリンピック水産物調達方針

いろいろな話題に気づかせていただける貴重な情報源となっている、東京海洋大学の勝川俊雄先生のサイトですが、そこに今回出ていたのは「2020年東京オリンピックでの水産物調達方針が問題」という記事でした。

 

オリンピック調達方針のパブコメが今日まで - 勝川俊雄公式サイト

 

そもそも、オリンピックでの「調達方針」と言うもの自体、聞いたこともなかったのですが、どうやら「オリンピック・レガシー」というものに関わっているもののようです。

 

レガシー(社会的遺産)という言葉は今回も競技施設の建設に関して出て来るイメージが強く、箱物や競技施設などこの機会に立派なものを作ってしまおうという、競技団体などの思惑ばかりが見えるものと感じていましたが、よく見てみると他の面もあるようです。

 

2020年東京オリンピック・レガシー - Wikipedia

 

どうやら都合よく語られていたのは、そのなかでも「スポーツ・レガシー」や「都市レガシー」といったものばかりですが、それ以外にも「社会レガシー」「環境レガシー」といったものがあるようです。

こんなことは誰も言う人がいなかった。

 

つまり、環境に関してはこのオリンピックを開くことにより大きな負荷があるが、それをプラスに転じるような施策を考えるということもレガシーであるということです。

 

にも関わらず、今回出された「水産物調達方針」なるものは見るも無残、恥ずべきものでしか無いというのが勝川先生の意見です。

 

ロンドンオリンピックの場合、イギリスのそれまでの水産物供給というものは持続性が乏しかったのが、オリンピックで供給量が増えてもその後の供給まで持続性を考えるという調達方針を取ったことで、実際にその後は供給が安定してきており、オリンピックというものの環境に対する効果もあったことになるというこのとようです。

 

それに対し、日本の方針は「国産品の調達は漁協のチェックのみでOK」というだけのもので、水産物の持続性などは何も考えていないのが明白なようです。

 

またまた、日本政府の恥ずかしい姿勢を知ることができました。

非常に参考になる話で良かったです。