月1回病院に通って薬を貰っているのですが、ちょうど昨日行ってきました。
病院の待合室ではテレビが映されているのですが、いつもの民放の他愛ない番組ではなく、なぜかNHKの国会中継が流れていました。
しかもなぜか昨日は先客が多く、しばらくのあいだ見たくもない国会中継を否応なしに見せられてしまいました。
しかもひどいことにはちょうど自民党議員の質問時間。
あの顔だけは知っている元自衛官の議員がTPPにはまったく関係もない南スーダンへの自衛隊派遣などを質問して貴重な時間を浪費していたのも噴飯物ですが、その次に出てきた顔も名前もしらない議員の質問にはTPPの大きな問題点が隠されています。
彼は一応は農民に配慮するポーズでTPPには欠点もあるのだがと言った質問もしましたが、本題はやはり日本の中小企業もアジア諸国に製品を売りやすいということを強調したいようです。
TPPの最大の問題はアメリカとの関係なのですが、まあ一部にはこういった点もあるでしょう。
しかし、日本の企業が儲かるかどうかだけを見ていて良いのでしょうか。
実は、今ちょうど読んでいる本がそのようなグローバル化というものの是非を問うもので、ギリシャの危機を扱っているものです。
ギリシャはEU加盟以降、EU域内での関税撤廃によりドイツやフランスなどからの製品輸入が増加、しかもユーロ通貨導入により為替による調整も無くなり国内産業は壊滅し、ただ製品をEU加盟国から買うだけの国になってしまいました。
その結果、国家としての収入も激減し財政破綻になったということです。
TPP採用の国々に日本企業(アメリカ企業もですが)が無関税で製品を売り込もうというのはこれに重なります。
それらの国々での企業成長は厳しく制限され、収入減が強いられるでしょう。
産業が育っている分野では何とか食べていけるかもしれませんが、これから育てようというものは不可能になります。
このような自由貿易圏の設定というものは、その中での現行の有力企業のさらなる発展ばかりが促進されます。
結局はアメリカや日本のグローバル企業だけが利益を得るという構造を作り出そうとしているだけです。
壊滅するのは日本の農家や酪農家ばかりではありません。他国の人々にも目を向けるべきでしょう。