爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「地上絵 古代人の遺した謎のメッセージ」ポール・G・バーン著

地上絵といえば南米ペルーのナスカのものが有名ですが、イギリスの考古学者バーン氏の書いたこの本によると、イギリスやアメリカ、チリ、オーストラリアなどにも古代に描かれた地上絵が残っているところがあるようです。

 

もちろん雨の多いところではそのようなものが残るはずもありませんし、そもそもそういったところで絵を描こうという考えも浮かばなかったでしょう。

しかし、イギリスは降雨もあるにも関わらず残っているというのは、白亜層という地層が地表近くにあるためで、表土と植物を取り去るだけで絵の表現ができたからだそうです。

 

本書でも最大の記述があるのはやはりペルーナスカのものですが、その絵の大きさは数百メートルもあるそうです。

しかし、イギリスやアメリカのものでも100m程度のものはあるようで、規模だけ見ればペルーだけを特別視することはできないようです。

 

ただし、国際的にも評価をされているナスカのものとは違い、他の地域のものは研究も進まずその作成年代も不明であり、まだ論争が続いているものも多いようです。

そういったものは保護体制の構築も上手く行かずにアメリカのものなどは周辺に自動車で入り込む者もおり、そのタイヤの跡が地上絵と見分けもつかなくなるほどだそうです。

 

ナスカの地上絵についても言われていることですが、上空から見てようやく描かれた絵が判断できるようなものを古代人がなぜ描こうとしたのか、謎が大きいものです。

やはり何か宗教的な思いがあったのでしょうが、その労力は大変なものであったでしょう。

 

こういったものを扱っている研究者もあまり居ないのではないかと思いますが、早く解明が進めばと思います。