FOOCOM.NETでは松永さんの記事の前に専門家コラムで斎藤勲さんが、「誰が鈴を付けに行くのか、検査の終わり方」という記事を書いて居られます。
検査の終わり方。いつ、だれが、鈴をつけに行くのか? | FOOCOM.NET
BSE対応の牛の全数検査がいつの間にか終了され、さらにそれと関連して東北の食品の放射能検査の終わらせ方についても触れられていました。
松永さんの記事もそれに関連して放射能検査の現状についてです。
東都生協の新谷さんとおっしゃる品質管理部長さんからの聞き取り内容ですが、そちらで実施しているゲルマニウム半導体分析器による放射能分析では、その機器の維持管理だけで年間1000万円が必要だそうです。
このような分析機器は機械の値段は高いものの買ってしまえば後は安くできるのではと考えがちですが、とんでもない話で様々な経費がかかってきます。(初期費用だけで2000万円以上)
こういった分析機器では精度の維持というのは大変なもので、私もかつての仕事ではこういった費用を予算に入れておくのを最優先にするということで、苦労したものでした。
他に、この分析ではサンプルは破壊して実施しますので分析したものは廃棄するしか無く、その費用が年間600万円かかるそうです。
これは販売者側の分析ですが、生産者側の検査も多数のところで行われています。牛肉なども全数に近いものが検査されているとか。その費用も莫大なものでしょう。
それらの検査ではほとんどが検出限界に達しない結果が得られています。
どこでこの検査に鈴をつけることができるか、それが問題となっています。
松永さんも最後に書かれているように、このような莫大な費用がほとんど安全なものに費やされている一方、実際に危険が大きな食中毒対応などは費用がかけられずに野放し状態になっているものもあります。
食品の危険性というものが、本当はどこにあるのか。きちんと社会の中で議論して決めるべきことと指摘されています。