爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「もしも、シンデレラの行動がすべて計算づくだったら?」樋口卓治著

なんとも「いかにも」というような表題の本ですが、中身は放送作家の樋口さん(かなり流行った番組にも参加してきたようです)が、テレビ番組の企画を決める際の発想の方法について、その手法を披露といった内容で、もしかしたらこの本を読む側の人が何らかの分野で発想を言うものを大事にするような職業であれば、少しはためになるかもというものになっています。

 

放送作家といっても番組の骨組みから詳細まで一人で決めるということではなく、多くの関係者との企画会議を経て決定していくというものなのですが、これは他の職業の人でも様々な場面で遭遇しそうな状況です。

 

こういった場面で、大切なことは「考えることを楽しめるかどうか」ということです。

何とか頭をひねってアイデアを出すといっても、苦しみながらではろくなものが出てきません。

仕事の質を高めるためにも、「楽しく考える」ということが一番のようです。

 

テレビ番組の企画の場合、0から1を産むということはそれほどあるわけじゃありません。

そんなビッグな番組を作るということが求められるわけではなく、毎週毎週放送する番組を次々と考えていかなければならないので、せいぜい今ある番組を少々組み替えて作るといったことがおおいそうです。

言ってみれば、0から1を産むのではなく、1から1’をひねり出せば良いといった程度のものです。それがもしかしたら1から1’を通して2になることもあるかもしれません。

 

こういった1と1’の違いというものは、カメラの「アングル」を少し変えてみるというイメージかもしれません。

普通の位置から撮っているのを、少しアングルを下げて地面から見てみるとかなり違うものになります。

こういったことを思考でもしてみれば相当違う見方ができそうです。

ここで出てくるのが書名でもある「シンデレラ」の話で、シンデレラの登場人物も状況も同じまま、「もしもシンデレラの行動がすべて計算づくだったら」と考えて話を見なおしてみるという考え方です。

そのような見方でシンデレラ劇を作ってみれば面白い発見があるかもしれない。そういった別のアングルからの見方をやってみるというのも面白そうです。

 

まあ、全然「深い思考」というものには関係のない話ですが、何か教えられるものがあるような気にさせられる本でした。