爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「臨床試験済」ってどういうつもり

最近のテレビCMで目立つのが「臨床試験済み」をやたらに強調する健康食品です。

名前をボカしたところで仕方ないので明記しますが、ファンケルの「えんきん」です。

臨床試験をやったからといってその結果が問題なのに、単に試験済と言うのもおかしな話だと思っていましたが、実はこれは昨年にファンケルが機能性食品表示のためにデータを提出したという段階でFOOCOM.NETの松永編集長が痛烈に批判していたものでした。

当時、私もそのことについてここで記事にしていたものです。

機能性表示食品の届出問題点 FCOOM.NET松永編集長の記事続編「えんきん」 - 爽風上々のブログ

これの元のFOOCOM.NETの記事の方はこちらです。

機能性表示食品「えんきん」の根拠は、お粗末すぎる | FOOCOM.NET

細かい話は松永さんの元記事を見て頂いたほうが正確に分かりますが、一言で言って今のCMで大げさに謳っている「臨床試験」なるものが、非常に程度の低いものであり、その価値も疑わしいというものです。

 

臨床試験例が発表された論文が掲載されている雑誌(科学論文誌)も名も無い低レベルの本であり、医学情報誌のリストとして定番のアメリカ国立生物科学情報センターの「Pubmed」にも載せられていない程度のものです。

内容もお粗末なもので、実験の設計も疑問だらけのものであり、結果も有意差ありというものでもごく僅かな差しかないものを大げさに取り上げているようなものです。

 

このようなものでもCMで「臨床検査済み」と麗々しく謳えば知識のない一般人は素晴らしい物のように感じるのでしょう。それがファンケルの意図でもあるということです。

 

胡散臭い思惑だけでできたような機能性食品表示制度ですが、まさにその意図というものが露わになったようなCMでした。