爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

集団的自衛権と安保法案

2007年に関西学院大学教授の豊下さんが書かれた「集団的自衛権とは何か」と言う本を読みました。新書版ですが、非常に中身の詰まった本で、大事なところには付箋を付けて読んでいるのですが、付箋だらけになってしまいました。
The Journal というサイトで田中良紹さんも書いておられますが、http://ch.nicovideo.jp/ch711/blomaga/ar833879 傲慢と臆病の混じった安倍総理は訳の分からない答弁で時間だけをかけてそれでオーライということにしてしまいました。

集団的自衛権というのはそのようなあいまいなことを言わずとも「自衛にのみに限る軍事同盟」と言えば済むだけの話です。とはいえ、相手がブッシュ・ドクトリンのアメリカですから、世界のどこへ侵攻するのも自衛と言い張り自衛隊を連れていく可能性も強いものです。
それを日本の安全に関わるものだけに限るということにしたいのでしょうが、これは親分アメリカが認めていることなのでしょうか。法律さえ通してしまえばあとは文句が出ても知らぬふりでしょうか。
田中さんも主張されているように、アメリカは議会での議論で細かい点まで想定して対応を話し合います。日本の国会では細かい点はその時の政府の判断でなどと言ってごまかしていますが、言語道断と言うべきでしょう。
さらに、この間の国政選挙では、経済問題ばかりを争点としていたにも関わらず、公約の隅に小さく書かれていた安保法制整備を最大の施策として進めています。この欺瞞を一番糾弾しなければならないのは経済政策を信じて投票した多数の有権者なのですが、その声は上がらないようです。