爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

参議院議員選挙定数是正案

参議院議員選挙で選挙区ごとの定数が大きく不均衡を生じている問題で、2県の合区も含めた是正案が提案され、それに合区に反対という議員も居てまだまだ混乱しそうです。
もしも参議院議員も人口当たりの選出数を平等にするべきであれば、是正案とやらでもはるかにその基準からは外れており一時しのぎにすぎません。裁判所をコケにしただけの子供だましの施策であり、これまでも私が何度か主張していますが「国会議員に選挙制度を決めさせるな」という意見の正当性を再度確認できるだけのものです。

県をまたいだ合区に反対というのも、ただ単に県の枠組みというものを守りたいというだけなら理由としては幼稚なものであり、説得性に欠けるものと言わざるを得ません。県の枠組みなどと言うものは100年前に偶然に決まっただけのようなもので、必ずしも十分な効率性、正当性があってのものとは言えないようなものです。

ただし、「参議院議員は人口比だけでなく決める」ということにすれば、この主張にも意味があります。
議員定数というものは、必ずしも人口比だけで決める必要などありません。決め方だけの問題であり、各県の代表と言うならそれでも良し、各業界の代表と言うのも不可能ではありません。
しかし、人口比で決める議院が最上位を占めるというのは当然の原理であり、その意味では衆議院を完全に人口比選出として(今はまったくそれにふさわしい制度ではありませんが)参議院は地域別の選出方法を取るなら、今のようなほぼ衆参議院が平等と言う制度ではなく、衆議院が圧倒的優位を保つような制度にするべきでしょう。

参議院に限らず、衆議院も含め、今のような選挙のたびに裁判所が違憲状態などと言う判決をだし、それに対して小出しの定数是正をするといった恥ずかしい政治状態はそろそろやめにできませんか。