爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「野宿入門」かとうちあき著

この本も珍品です。どうも最近変わった本を読むことが多くなったような気もします。普通の本では飽き足らなくなったのか。

著者はまだ若い女性ですが、野宿をするのが大好きというかなり変わった趣味を持っている人と言うことです。現在はミニコミ誌「野宿野郎」の編集長と言うことですが、今まで6年間に7冊発行しただけだそうです。
高校生の頃から野宿の楽しさに目覚め、家の近くでの野宿から大がかりな野宿旅行までいろいろとやってきているそうですが、「よくこれまでご無事で」という感慨を覚えます。もちろん、「無事に野宿をする」ということも大きな追求点であり、さまざまなノウハウがあるようです。

さすがに私も野宿をしたという経験はありませんが、よくあるパターンは酒を飲みすぎて帰る電車もなく、金もないので泊まるわけにも行かず野宿をして始発電車を待つというものだそうで、本書もそういった例から書かれています。
もちろん、場所にもよりますが警備の人や警察官からの取り締まりをかいくぐるというのも重要な点であり、その言い訳にも「電車がなくなって仕方なく」というのは有効なようです。野宿が趣味などということは決して口にはしてはいけないことです。

場所の選び方は重要な点で、当然のことながら「安全第一」です。犯罪に巻き込まれるようなことが絶対ないように気を使わなければならないのはもちろんで、ある程度警察や近所の人の目があるということは必要なようですが、逆にそこから見れば野宿をする方が不審者に見えますのでそれをうまく疑惑を晴らすということも必要になります。
またトイレが利用できるかどうかというのは非常に大事な点であり、(もちろん著者は女性ですのでさらに重要性は増します)これがなければ断念というくらいのことになります。また、そのような公衆トイレの状況を見るとその地域の安全性も判断できるようで、きれいに掃除も行き届いているところなら安心ですが汚くて落書きだらけと言うトイレのある場所は治安も悪く野宿には危険と言う判断ができるということです。

こういうことを真剣に本にして出版するというのもすごいことですが、それを読んでいる自分も物好きなのかもしれません。