来年の参議院選挙から18歳以上にまで選挙投票権の年齢を下げるという法律が成立したそうです。
これに関連してその他の民法上の成人年齢を下げるかどうかという点についての議論もされているようです。
まあだいたい20歳で成人ということ自体、それほど深く考えられて決められたものとは全く考えられませんので、あえて反対するというほどでもないことですが、社会の区切りという意味ではほとんどの人が高校を卒業するというのが18歳であるということから見ればこちらの方が妥当でしょう。逆に20歳というのはほとんど区切りとしては使われていません。
政権党から見れば現在の若者たちは保守化が進み、以前のように投票年齢を下げると一気に野党に票が流れるということはなく、反対に政権党に票が集まるという推測の方が当たっているかもしれません。もちろんそれがこの法案を通しやすかった理由の一つでしょう。現状ではいちいち政権の政策に反対するのは中年以上のジジババばかりのように見えるかもしれません。
さっそくニュースでは高校生へのインタビューという場面も流れていましたが、いかにも優等生風の子供たちに聞いても積極的な意見はあまりなく、投票にもいくかどうかわからないという意見も多かったようです。まあ、現在の選挙権を持つ大人に聞いても同様でしょうから、仕方のないことです。投票したい候補がいないというのは選挙民の責任と言えるかどうかわかりません。まったく責任が無いとも言えないのですが、そのような態度に対する究極の意見は「政治家にふさわしい候補がいないのなら自分で出ろ」ということですから、難しい話です。
冗談ではなく、政治家になると言うと家族が泣いて止めるというのもよく聞く話です。「お父さんが政治家になったら表を歩けない」と娘に泣きつかれるというのもあるそうです。
飲酒・喫煙の18歳への引き下げというのには反対意見も多いようです。これも難しい話で、そもそも大人であれば大丈夫という話ではないのですから科学的な許容年齢などというものも設定できません。
青少年には大人よりより害が多いと言われていますが、では20歳を過ぎたら害が減るかというとそんなことはありません。科学的な根拠を集めれば、酒タバコは全面禁止となってしまうでしょう。
今回の年齢引き下げも、その理由の一つが「諸外国ではほとんど18歳」というだけのものですから、何でも横並びなら安心という日本人の心理だけのもののようです。立派な理由とは到底言えない様なものですが、なってしまった以上はせいぜい活用はしてほしいものです。