爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

機能性食品表示に関してFOOCOMが消費者庁に申し入れ

FOOCOM.NETで今回規定が変えられた機能性食品表示に関して繰り返し意見が出されていますが、今回は消費者庁に現状の問題点を提起したという記事が出されています。http://www.foocom.net/column/editor/12869/
これまでに申請された37製品(うち1つは取り下げられた)ですが、そのうち13製品は問題が大きくガイドラインの基準にも達していないというものです。

安全性については「食習慣」つまりすでに食されている歴史がありそこで害が出ていないという根拠でも認めようというのがこの規制改訂の趣旨の一つですが、これを該当製品がほんの数年売られているだけでクリアしているという安易なものが多いようです。本来ならばその程度の販売期間(それも大して売れてはいないだろうから実際の摂取例は極めて少ない)では不十分とされ、きちんとした安全性確認の科学的手法に基づく試験を追加しなければならないところです。
また、こういった点についてJEFCA(FAO,WHO合同食品添加物専門家会議)やEFSA(欧州食品安全機関)、日本の国立健康栄養研究所などの発表データをつまみ食いし、都合の良いところだけを引用する例も多くみられるそうです。

さらにガイドラインでは「査読付き論文」となっているだけで、その論文誌のレベルまでは問わないのを良いことに、相当レベルの低い研究論文を根拠として出しているものも多いようです。これについては、同じくFOOCOM.NETで白井洋一さんが書かれていますが、査読付きというだけではまったく論文レベルを保証できるものではないはずです。

しかも、これらの問題点に目をつぶったとしても、それと実際に製品に表示する内容というのが大きく乖離しているようです。つまり、ほんのわずかな利点があったとしても(上記の点から非常に怪しいものですが)それ以上に製品表示は誇大に宣伝しようとしているということです。

前にも書きましたが、この機能性食品表示の申請を出しているのは健康食品業界では大きなメーカーが多いはずです。業界のリーダーとしてレベルを上げる努力を常にしなければならない立場のはずですが、それがこの程度ということですから、ほかの怪しいメーカーなどは言うまでもないというところでしょう。

科学的な評価につながるためか、一般の消費者団体のこの問題に対する動きは鈍いようです。専門家たちはメーカー側からの利益供与のためか?あまり声高に発言する人も多くはありません。
FOOCOMさんには今後もご活躍頂きたいものです。