爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

全国消団連が機能性食品表示問題について意見発表 

FOOCOM.NETで松永編集長が続けて書かれているのが、前回紹介した機能性食品表示の問題についての意見発表を全国消団連が行った際の記者発表の模様です。http://www.foocom.net/column/editor/12767/
これには、河野全国消団連事務局長、森田FOOCOM事務局長、高橋久仁子群馬大学名誉教授の3人が会見に臨んだそうです。
高橋さんはフードファディズムという概念を日本に始めて紹介された方で、私はその著書を読んで以来発言に注目している人です。

高橋さんの意見はやはり一番厳しいものだったようです。ちょっと長くなりますが、引用させていただきます。”高橋名誉教授は、「私は以前から、普通の食事で健康を維持することが大事で、いわゆる健康食品、トクホも含めて、特定の食品に健康効果を期待することは問題、と申し上げて来ました。機能性表示食品制度については、企業が食いついて来ないだろうと思っていました。表示するには根拠が要る。それは面倒くさいことだから、企業はこれまでと同じように暗示とほのめかし、行間を読ませることをするだろう、と勝手に思い込んでいました。ところが、現実はとんでもないことになりました。制度の問題が多々あります。システマティックレビューと言えるレベルでなかったり、これで査読つき論文と言うのか、と問い正したくなるような内容のものもあります。企業責任で表示する制度ですが、こんなもので科学的根拠があると言っていいのですか? と思う。言った者勝ちになり、これからますますひどいものになるのではないか、と懸念している」と述べられた。 高橋名誉教授は、こうも発言している。「トクホは国の審査を経た商品で、人を対象にした実験で一定の効果があったとされています。しかし私は常々、その効果は非常に小さいと指摘し、そのことが人々に伝わっていないということを問題にして来ました。でも、トクホの方がまだましだ、と思えるレベルのものが、機能性表示食品で出て来ている。科学的根拠があると言える訳がないでしょう、というものが受理されている、という現実をわかってほしい」”

トクホですらその実態は非常に問題があるものと考えておられます。これは私も強く実感しているところであり、日本でもトップクラスの企業がトクホのお墨付きを得ただけで魔法の食物かのようなCMを流し続けています。どうにかならないかと思っています。

また森田さんの意見は少し違い、怪しげな健康食品が市場に溢れている状況が少しはこれで改善されるかと期待していたようで、またトクホと比べても情報開示が進められるということですが、これまでのところ一般消費者にはまったく理解できないような開示でしかないということです。

いずれにせよ、もうすぐこの製品が店頭に並んでしまいます。松永さんが書いているように、「森田と同じように業界健全化を期待していた私はバカだった、甘かった、というのが今の正直な気持ちだ」というのが状況を注視していた関係者の気持ちではないでしょうか。金儲けだけの企業に政府がおぜん立てをしたという政策でしょう。