爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

機能性表示食品の届出問題点 FCOOM.NET松永編集長の記事続編「えんきん」

機能性表示食品の新方式が出たと言うことで、いろいろの届出がされていますが、それらの事例についてFCOOM.NET編集長の食品ジャーナリスト松永和紀さんが問題点を指摘しています。http://www.foocom.net/column/editor/12648/
今回はファンケルの「えんきん」という目の視力に対する機能性をうたっているものですが、松永さんも書いておられるように健康食品でも最大手といえるファンケルのものだけに、注目されるものです。

しかし、その内容は非常にお粗末と言わざるを得ないもののようです。
機能性、つまり効能については論文の引用がされているのですが、その掲載誌もどうやら有力なものではなく信用性に欠けるようなものです。もちろん掲載誌のレベルはどうであっても内容が良ければよいのですが、その根拠とされている論文も実験の計画やデータの処理で素人が見ても疑問に思うような程度のものだとか。
なお、この掲載誌の主たる編集責任者は内閣府の規制改革会議で旗振り役を務めた大学教授とか。お手盛りという印象があります。

さらに、安全性については食品としての喫食実績というものが重要な判定基準なのですが、それも自社で販売したサプリに入っていたというだけの根拠でありとても論理的とは言えないようなもののようです。
今回の機能性表示の制度変更で、まず出てきた事例というものは他の健康食品各社も注目しています。どのような科学的根拠を出せば良いのかというところで先例として参考にするでしょうが、業界最大手の会社がこのような杜撰としか言いようのない届出で済ませているということが、非常に悪い例となってしまうのではないかと松永さんは危惧しています。