爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

機能性表示食品、早くも疑問例

いつも食品安全関連で参考にさせて頂いている「FCOOM.NET」で編集長の松永和紀さんが機能性表示食品として申請された中で疑問例をあげて論評されています。http://www.foocom.net/column/editor/12585/

機能性表示食品とは「科学的根拠」があれば(他人の論文で確認できれば)届出さえすれば機能性を表示できると言う、政府の国民の健康に対する責任を投げ出してまで、「経済成長戦略」に加担しようと言う政策です。
論文にさえなっていれば、「科学的根拠」なのかどうかというのも怪しい問題ですが、今回の松永さんの例に挙げられているのはそもそもその科学的根拠自体にも大きな疑問があり、トクホ申請をしたにも関わらずその専門委員会審査で疑問が呈されたと言うものです。
それでも「機能性表示食品」であれば通ってしまうのかもしれません。

トクホ申請の際の審査での専門委員会の指摘に対し、業者側は「一日摂取量が少ない」などと反論はしているようです。しかし、業者の言う有効性自体に関わる問題を提起しているにも関わらず、摂取量を取り上げるというのは、「効くだけの量ではない」と言っているも同然であり、なら何のための機能性食品なのか、論理も破綻しています。とにかく高い価格で売りたいだけなんでしょう。

松永さんの記事はまだ続くようで、他にもおかしな事例があるようです。それには期待していますが、そもそも何でこんな変な制度をやらなければならないのでしょう。アメリカの暴走したサプリ産業を真似したいのでしょうか。