爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「心理学とは何なのか 人間を理解するために」永田良昭著

心理学者で学習院大学の学長も勤められた著者が、心理学そのものについて書かれたものなので、心理学の成果の細かいところなどを描いたと言うものではありません。したがって、ちょっと話が抽象的で難しい内容となってしまいました。

心理学というと一般の人の反応は「心理分析をやる」といったものに偏り勝ちで、通俗的な読み物などにも「これこれの仕草から判る本音」などと心理分析まがいの文章はよく見られるところです。
著者も大学生の頃に心理学を専攻すると母上に話したところ「八卦見になるのか」と言われたそうで、一般の理解としてはそれとほとんど変わらないのかも知れません。

しかし現在の心理学と言うものはそのようなところに止まることなく「こころ」に関する発見と理論の構成といった方向に進んでおり、意味の世界、また人の社会とのかかわりなどに広がってきているということです。
まあ具体的にどのような事例ということも紹介しにくいものであり、細かい点まで読み込むわけにも行かず、少々消化不良気味でした。