半年ばかり前に読んだ本の再読です。とはいってもそれに気がついたのは最後の方まで読み進めてからでそこまではまったく知らずに読んでいました。興味をひかれたところには付箋をつけながら読んでいるのですが、それも何枚も付けています。我ながら情けないというか、まあそれだけ興味ひかれる濃い内容の本と言うべきか、まあそこの点だけでも書いておきましょうか。
禿山の拡大という点は前回もマークしていますが、古代にしばしば遷都を繰り返していたのも周辺の森林を使い果たしてしまったためかともあります。結局は畿内一円はほとんど森林がないまでになってしまいました。
”代替エネルギー”に関して、著者は「代替エネルギーといいながらこれまで人類が他のエネルギー源で従来のエネルギー源を代替したことはない」ということをデータを示して強調しています。これも正にその通りで、常に新たにエネルギーを使い始めるとそれが加算されていくだけでした。拡大を続けながら破局に近づいているのでしょう。
ここから先の「対応」についてはどうしても歯切れが悪くなるのですが、それも問題の困難さからすれば仕方のないことでしょう。
その中で、本書では熱源としてのエネルギーを上手く使っていけばかなりの効率化が進むと説いています。これは当分の間という限定はつくものの非常に必要性の大きい考え方であり、例えば原発や大規模火力発電所で使い道のないまま廃棄されている温水が使えるような体制であれば既存エネルギーの使い伸ばしができるというのは確かでしょう。
後半部分については、最初に読んだ時よりは幾分かは評価を上げて読むことができました。現状を少しでも改善するためにはこういった考え方が必要なんでしょう。