爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「湖底の城」宮城谷昌光著

宮城谷さんの本はほとんど読んでいますが、この湖底の城というのはまだ未読でした。今回読んで初めて知ったのですが、まだ完結していませんでした。

これは中国の春秋時代末期、ほぼ孔子と同時代の楚の伍子胥についての物語です。これは非常に有名なもので、司馬遷史記の列伝にも取り上げられているために昔から内容は知っていました。
楚の太子の守り役であった伍奢は太子を嫌った王により謀反の濡れ衣を着せられ死刑にされますが、その息子二人を生かしておくとやっかいとおびき寄せられ兄の伍尚は殺されますが、弟の伍員(子胥)は逃れて呉の国に入り、呉王に仕えて楚を滅ぼすという復讐の話です。
しかし共に呉の国勢を上げた王が死んだあとは次の王と政敵に邪魔にされ、結局は自殺を命じられるのですがその際のエピソードも有名なものです。

伍子胥に関連して、兵法の始祖とも言える孫武、呉の公子のために呉王を刺殺する鱄設諸(センセッショ)はそれぞれ史記の列伝に記されているほどの歴史上の有名人です。

五巻までは読んだのですが、まだ終わっていなかった。ようやく呉の国力が増し楚の国を翻弄しだしたところまでの展開でした。元の雑誌連載もまだ続いているようですので当分は終わらないようです。