九州王朝説を提唱していた古田武彦さんが亡くなられたそうです。89歳だったとか。
古田さんは高校教諭のかたわら親鸞研究者として活躍されていたのですが、古代王朝の研究に進み数々の新説を発表されました。
九州王朝説とは天皇家の主要な系統は大和時代のかなり遅くまで九州にあったというもので、その後近畿の分家の王朝がそれを倒し、ついでに伝説の多くも近畿に移設してしまったというものです。
したがって、記紀や万葉集などの内容も近畿で当てはめるとおかしなところが多数あるのが九州と考えるとぴたりと合致するというものです。
既成学会からは異端視されていたもののアマチュアからは支持されることも多かったようです。
しかし、偽書であることが明らかな古代文書を信じて広めたということが致命傷となってほとんどまともに顧みられることがなくなったようです。
真実がどこにあるのか分かりませんが、自分の信じる道は反対が多くても進み続けるという姿勢を貫いた生涯はすばらしいものと思います。