爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

”賀茂川耕助のブログを読んで”No.1094 TPP交渉、ISD条項

賀茂川耕助のブログ、最新のものが1094のTPPにおけるISD条項の危険性を明らかにしたものです。
これがもっともこのTPPの性質を現していると思いますが、海外からの投資家が不利益を受けた時の訴訟を定めたものと言うことです。
すなわち、海外からの出資企業が出資先の政府がさまざまな立法や行政措置により損害を被ったと主張して賠償を求めると言うことです。

確かに、中国などとはそういった条約を結べることができれば理不尽な政府の行動で大損害を被っている進出企業の助けにはなるでしょうが、問題は「理不尽」なのは政府ではなく進出企業の側の場合も多く、それらの勝手気ままな行動を抑制しようとすること自体が訴訟の対象になりうるということです。

賀茂川さんが例として取り上げているのも、オーストラリアの鉱山会社がエルサルバドルでの金鉱の開発で有害物質を出したとして採掘中止の命令を出したのに対し、損害を被った(そして今後も被る)として3億ドルもの賠償を求めていると言うものがあります。
自国の内部で自国民の被害を防止しようとしていることすら、賠償請求の対象としようとするもので、TPPにおいてはアメリカの巨大企業の思うがままにしようという思惑が明白です。

つくずく、アメリカと言うのは巨大企業のやりたい放題の国であるというのが現れています。