爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

OPEC減産交渉不調

原油価格が続落しているために収入減を心配した産油国が生産削減をするかどうかという会議をしたそうですが、調整が付かず不調に終わったようです。
これで石油価格がさらに低下し経済成長にプラスになると喜んでいる人が多いようです。

原油価格の低下につながったのは、アメリカでシェールオイルシェールガスの生産を増やし、エネルギー供給が増加したためだそうです。しかし、ここでも何度も指摘したようにシェールオイルの生産には通常の原油採取より格段に投入エネルギーが多く、価格コストが合わないので現在の価格でもまだ競争力はないはずです。
それが無理やり生産をしているということはアメリカが何らかの政治的な思惑で動いている可能性があるのではないかと思います。

シェールオイルなどは、価格コストの問題以上に投入エネルギーをペイするほどエネルギーが得られるかどうか(本当の意味でのエネルギー採掘になっているか)という疑問も強くあり、よほど条件の良い場所では採掘できてもあとはほとんど商売にならないという予測ができます。
このような事態もそれほど長くは続かないでしょう。

そもそも、原油価格が値下がりといってもようやく1バレル70ドルを割ったと言う程度の話であり、ほんの十数年前までは20ドル以下というレベルであったことを考えれば、値下がりとも言えないほどもものでしょう。
これでその気になって経済成長とやらを目指せば、必ずエネルギー消費の増加を伴いますので、元のとおりまた原油価格暴騰ということになりそうです。