爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「日本のニュース 賛否両論わかる本」現代ニュース研究会著

著者はどのようなグループかは不明ですが、いろいろなニュースの解説をしているような人々かもしれません。発行元の「こう書房」という出版社が集めたライターかもしれません。

2007年出版の本ですのでその当時の問題が政治経済から教育・環境等さまざまな方面まで取り上げられています。ただし、一つの話題について4ページ程度のまとめ方ですので、それほど「賛否両論」が語られているとも言えません。

例えば、裁判員裁判制度がちょうど始まる頃だったということで取り上げられていますが、その問題点も参加意欲がないとか、拘束時間が長いとかいった程度が挙げられているだけで、以前にこのブログで取り上げたような制度上の大問題である冤罪への強制参加といったことまでは深く掘り下げられていません。
当時の最大の政治課題であった(意図的に作られた)郵政民営化も問題点がさらっと取り上げられているだけのように見えます。
二酸化炭素温暖化については、見事に「賛成意見」だけになっており、とても賛否両論などといえるものではないようです。提灯持ち解説記事でした。
原子力発電では、福島以前の記事はすべて事故の可能性は「ないわけではない」程度であるのは仕方のないことかもしれません。本書も一応不安要素として取り上げられてはいますが、「放射能漏れの危険」という文章だけを見ても実際に起こった事実と以前の感覚の大きな差を感じさせられます。

まあそれほど目くじらを立てるというほどのものでもなく、大きな間違いもないようでしたので時事問題の概要を掴むというためには「図書館で借りて読むには良い」本でした。買う必要はありません。