爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

避難勧告・避難指示

1日は防災の日だったということもあり、昨日はテレビ新聞でいろいろと災害関連の記事がありました。
「気候変動」とか「これからどうなってしまうのでしょうか」などといったマスコミ特有の煽り論調はとりあえずここではおいておくとして。

広島の土砂災害の関係もあり、避難指示などの行政の対応についての記事がかなり多かったようです。大部分は行政対応の遅れの批判で、「もう少し早く避難指示が出ていれば助かった」といったものですが、それがいかに困難なことか、少し想像力を働かせれば判るはずです。
マスコミ記者というのは、「相手の立場に立って考える」ということをできない。、というか「しないようにしている」のでしょう。もしも自治体の長であったとするなら、避難指示をどのように出すか、どこに出すか、等々非常に難しいことは明らかで、考えの浅い評論家などという人々が言っている様に「空振りでも良いから予防的に出す」なんてことをすれば大混乱は明らかです。責任ある立場の人ができることではありません。

そもそも、避難情報といっても河川の氾濫と台風の暴風雨、土砂崩れではそれぞれ大きな違いがあります。前者2つは両者とも大きな範囲が対象となり、さらにある程度の予測が可能で避難対策も準備しやすいという性質だと考えられますが、土砂崩れはまったくそれとは異なり局地的なものであり急激に起こる場合が多いということです。
今回の広島の災害でも非常に強い雨が降り出してわずか3時間で大規模に崩壊しました。深夜という悪条件はありましたが、たとえ昼間であっても行政からの指示は難しかったでしょう。さらに雨の範囲も非常に狭いものでもし10kmでもずれていれば別の地域が被害を受けたでしょう。
どうも土砂災害については行政の避難情報を待っていてはまず避けられるものではないようです。やはり自分自身で判断し、自分の住んでいる地域の危険性を十分に考慮して行動すべきでしょう。それ以前にどこに住むかという問題も大きそうです。
災害危険地域の指定というのも難しいということですが、「土地価値が下がる」というのを持ち出して反対する勢力というのはかなり問題であるように思います。少なくとも危険地域への新たな住宅等の建設というのは止めさせるべきでは。

なお、今まであまり認識していませんでしたが、避難指示・避難勧告・避難準備情報というのが避難情報で強力な順です。「避難命令」というのがあるかのような気がしていましたが、無いんですね。