爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「不連続の世界」恩田陸著

塚崎多聞なる音楽プロデユーサーが主人公の「トラベルミステリー」ということで、全国あちこちに出かけてそこでちょっと不思議な物語という中篇をいくつか集めたものです。
2000年以降の作品ということで、まあ手慣れた様子で書かれています。
主人公と絡みながら出てくる登場人物は各作品で異なりますが、どれも少し変わった感じがします。それでも一番変わっているのは主人公かも知れません。

小説の場合はあらすじをそのまま載せるようなことはできませんが、それでも中の一編のみ少しだけ。

砂丘ピクニックという作品では、多聞は翻訳家の巴と一緒に鳥取を訪れます。巴が取り掛かっているフランス人作家の作品の翻訳ですが、その中の一文に引っかかるため現地を見たいという旅に付き合ってしまうのですが、その一文というのが「砂丘が消えた」というものです。・・・・・以下は控えておきます。

気楽に読めるようでちょっと引っかかるところが随所にある作品でした。