爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「蒲公英草紙 常野物語」恩田陸著

つい最近、「読書会」という本を読んだのですがそれを山田正紀さんとともに著したのが恩田さんということで、これまであまり読んだことのない作家でしたので興味を覚えました。
図書館で見てみるとかなりの数の本があるようで、手始めに「常野物語」の中からこの本を選んでみました。
普段は小説類はほとんど読まず、科学関係か随筆等を読むことが多く、内容だけを追っていくためにかなり飛ばし読みもしているのですが、一般小説を読む場合はやはり一語一語を読んでいかないことには作者の意図も分からないこともありえると思い、できるだけゆっくりとは読んだつもりです。

恩田さんはSF、ファンタジー、ホラー等さまざまなジャンルを書いているということですが、本書は常野一族と言う特殊な能力を持つ人々を周辺に、主人公は普通の女の子と言うもので、舞台は明治時代末のおそらく東北地方の旧家というものです。
リアリティーといったものはそれほど気にはされていないようにも思いますが、全体としての雰囲気を壊さないようにわざとぼんやりと描写しているということもあるのかもしれません。
副主人公ともいうべき旧家のお嬢さんが特に美しく思えるように全体を調和させた物語でした。