常識として身につけていることが実は間違っていて、誰かに利用されているだけだと言うスタンスでいくつもの例が挙げられているのですが、それがどうも変なことばかりで、読みながら頭がくらくらするような気がします。
著者は計算言語学(なんじゃそりゃ)の博士号を取っているということですが、脳機能学や認識心理学も専門と言うことなんですが。
時折鋭い指摘に見えるものもある一方、変な話も同じように出てくるので・・・
もっともすごいのは空気中の酸素濃度がどんどんと減少しており、東京では13%のところもあるといったあたりです。酸素濃度は約20%で一定と言うのは常識と思っていましたが、それは洗脳だというのですが、どのような分析から出ているのでしょうか。
国立環境研究所の笹野さんのグループの論文というのが見つかりましたが、このところ酸素濃度は毎年顕著に減少しているという調査結果が出たそうです。それが、毎年6ppmずつの減少で二酸化炭素の増加に見合うとか。6ppmが何年続けば13%まで下がるんでしょう。
電磁波が有害ではないというのも政府や電話会社の流す陰謀で、実はかなり有害であるそうです。東京スカイツリーなどの強力な電波塔の近くでは事故が多発するとか。電波の害を防ぐためにヨーロッパの科学者は携帯電話を直接耳にあてるのではなく、ブルートゥースという中継装置を使って弱い電波にしているんだそうです。
人体にどのような影響が出るか分からないままに使っているというものは、携帯電話に限らずいくらでも存在するのですが、本当に有害なものだとするともうすでにはっきりとした影響が出てくるのではないかと思うのですが、今のところはそのような話は少なくとも公式には聞いたことがないですね。
有機食品も危険であるというのも実は学問的にも出ている話ですが、本書では違った方面から出されています。有機質肥料として使われているのは、「化学合成肥料」を食べさせた家畜の排泄物を使っているので危ないということですが、まあおそらく「肥料」というのは「飼料」のつもりで書かれているのでしょうが、どうも変ですね。抗生物質が与えられているから排泄物にも出てくると言うのは確かでしょうが、化学合成飼料というのはどういう危険があるというのでしょう。
天然でないアミノ酸は化学調味料と一緒なので身体に悪い?どうも意味不明です。
インフレが良いというのは資本家だけで、庶民にはデフレの方がよい。というのは確かにそうでしょう。資本主義=民主主義ではないというのも間違いはないことです。仰々しく書くのもおかしなものですが。このあたりは確かに常識として押し付けられているようにも見えますので、このようなところだけを主張していれば良いように見えますが。
まあ、図書館で借りた本で良かった。自分で買っていたら大変な後悔をしたでしょう。