爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「関数とはなんだろう」山根英司著

著者は大学教授のようですが、著者紹介欄の最初には「数学愛好家」とあります。
今から数十年前、大学受験の数学はそれほど苦手と言う方ではなかったのですが、大学に入り教養科目で解析学をやって途端に雲の中に迷い込んだように感じてそれきりよく分からないままに終わってしまいました。
高度な内容に放り込まれ、また教授手法もそれほど丁寧なものではなかったせいもあったのでしょうが、もしこの山根先生の本をそれ以前に読んでいれば相当違っていたかも知れません。

とはいえ、この本の内容もそれほど簡単なものではなくかなり高度なものも含んでいます。

関数といってもそれが何かということを間違いなく認識している人はそれほど多くはないでしょう。三角関数や指数関数などの形に幻惑され?見にくくなっていますが、本書冒頭にもあるように、「関数は対応です」
なんらかの入力があった時に出力が決まっていると言うことなんですね。

本書最初は三角関数で、1/3以上を費やして説明されています。高校でも数学授業で扱われていますが、暗記するのが多いということで不評でしょうね。しかし、加法定理や正弦定理余弦定理など、証明を見ているだけでも面白いと感じます。
指数関数・対数関数というのもむずかしいようにも見えますが、人口のネズミ算式増加というのもそのものずばりを扱っていますので、応用の範囲も非常に広いものでしょう。

複素関数、超関数になるとちょっと感覚的な理解というのはむずかしくなるようです。あれよあれよという感じでしょうか。

かなり以前の出版のブルーバックスですが、高校生くらいの人が読んでおくとためになるかなというものでした。