爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「鉄道の未来予想図」土屋武之著

最近は鉄道復権かと言うような動きも少し出てきたようにも思いますが、やはりまだまだ自動車優先の風潮が強く、鉄道ファンとしては歯痒い世相は続きそうです。
しかし、さまざまなしがらみもあってなかなか踏み出せないけれど、こうしたらもっと鉄道の魅力を引き出せるだろうということはファンなら誰しも考えることなのですが、その辺について筋金入りの鉄道ライターの土屋さんが鉄道ファンの妄想と言いながらやろうと思えばできそうな鉄道の理想図を活き活きと描いています。

まず最初には寝台夜行列車です。JR九州の「ななつ星」など高級路線のものの出現は実現していますが、逆に格安で多客が見込める東京大阪間など、経営を見直せば十分に成り立つ予想ができるのになと思わせるところをJR貨物を主体にするという視点から実現可能性を想像しているとことなど、これはと思わせるものです。ビジネスホテルの経営術など、参考にできるものはたくさん存在しており、さらに夜行バスの事故が相次ぐ折から鉄道がある程度の価格設定で走らせれば確かにかなりの客数は獲得できるのではと感じさせます。

また、東京都内のJR、地下鉄、私鉄などの運賃を完全一本化するとか、京都市内の鉄道を統一運用とか、やれば乗客の利便性がはるかに向上しそうなプランは誰か実現に向けて推進してくれないかと思わせるものです。

フリーゲージトレインもようやくJR九州で実現に向け運転試験の開始というところまで来ましたが、本書にあるように上越新幹線から直通で羽越線を通り秋田までというのも実現性が多いかも知れません。多額の建設費を要する新幹線延伸ばかりを求めるよりこの方法で新幹線連絡の実を早く取る方が良いように思います。

最後の韓国ソウル向けの列車もできれば良いのですが。