この本はちょうど1年ほど前に読んだのですが、最後の方の付け足しの読後感が悪く散々な評を書いています。
しかし、そこに至るまでの議論はさほど悪いわけではなく、一般には浸透していない面についてもきちんと判断しておられるようなので再読ということにしておきました。
福島事故以前の話ではありますが、アメリカにおいても原子力発電に回帰ということが何故起こったかということから始まり、すでに当時アメリカは石油需給の見通しとしてオイルピークの事実を認識しており、それに対応した方策として原発増設を目指すという事態に著者は気がついていました。
オイルピーク以降のエネルギー確保に向け、本来ならばもっとも真摯に考えるべき日本が何の方策も取らずにいることに対しては危機感を持つのは当然です。
しかし、再生エネルギーといわれる太陽光・風力・地熱発電などは使い物にならないということも著者は認識しています。
そのあとのところがちょっとまずかったのですが、原子力発電を推進というのは仕方ないにしてもウラン資源にも限りがあり(それも意外に早くなくなりそう)したがって核燃料再処理とプルサーマル、そして高速増殖炉へと進むべきという風に進んでしまいました。
それが無理ならこの先どうなるのでしょう。