爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「花の歳月」宮城谷昌光著

中国の漢の皇帝となった文帝の皇后は数奇な運命をたどってきたのですが、その弟の広国は幼くして誘拐され奴隷に売られたものの、姉が皇后となったために救われたという話は広く知られており、様々な小説となっているところです。
竇イ房は名家とはいえ没落した家の娘でしたが、広く良家の娘を集めて皇帝に仕えさせると言う企画の選考にかかり宮中に上がりますが下働きのまま高祖は亡くなり各国の宮廷に別れて送られることになります。そこで生まれた趙国を希望するもののそこには行けずに僻地の代国に行かされます。しかし、その代国王に見初められ王子を生みます。
太后が亡くなり呂氏一族が排斥されたあと、皇帝として代国王が選ばれ文帝となり、竇氏も皇后となったのですが、奴隷となっていた弟の広国も救われ涙の再会劇となるわけです。
竇氏はその後もながく一族が栄えたのですがその始まりはここにあったわけです。