爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「こんなにおもしろい単位」白鳥敬著

科学技術分野を専門とするサイエンスライターの白鳥さんが、「単位」について簡潔にまとめました。
一つの単位について2ページずつというコンパクトなものですが、なかなかきれいにまとまっています。

国際単位系のメートル、キログラム、アンペア等の記述から始まって、伝統的な重量、体積、長さの単位などの話、科学技術に特有の光年、パーセク、マッハ、テスラなどの単位、そして単位についてのトリビアなど、ちょっと盲点に入っていて知らなかったことなども再確認させてもらいました。

地震マグニチュードという単位についても知っているようで確実なところは分からなかったのですが、アメリカの地震学者のリヒターによって最初に1935年に提唱されたものは、地震震源から100kmはなれた地震計(ウッド・アンダーソン型)の記録紙に記された振幅の最大のものをマイクロメータで表しそれを対数表示したというものだったそうです。日本の気象庁では独自の方程式を用いているそうで、さらにモーメントマグニチュードというM8以上のものまで正確に出せる方式も採用しているとか。
東日本大震災マグニチュード発表でも何度か数字が変わりましたが、この辺の事情も関係していたのでしょうか。

アルベドという単位もあまりなじみはないかもしれませんが、惑星表面の反射率だそうです。地球は0.3、金星は0.78だが、月は0.07と極端に低いとか。地球の0.3という数値がその気温を適度に保つ要因になっているそうです。

メートル法が主流の長さなどの単位ですが、アメリカ・イギリスなどは相変わらずフィート・マイルでやっていますので、様々なところで使われています。これも面倒といえばそうなのですが、人間の感覚から言うとかえって分かりやすいという面もあるようです。それはメートルが地球の大きさから来ているのに対し、足の長さとか歩幅といったところに由来するからだとか。