爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「シャーロック・ホームズ最後の解決」マイケル・シェイボン著

シャーロック・ホームズ作品には、コナン・ドイルが書いた「正典」と呼ばれるもの以外に数多くの他の作者が書いたものがあります。
その中にはパロディーもありますが、パスティーシュと呼ばれるものもあり、パロディがかなり茶化したイメージがあるのに比べるとパスティーシュと言われるものはあたかもドイルがまだ生きていればこのように書いたであろうと思われるようにドイルの作風に忠実に書かれたものです。

本作はまだ若いシャーロッキアンマイケル・シェイボン(1963年生れ)が2004年に書いたもので、舞台は第二次大戦最中の1944年、ホームズが生きていたとしたらちょうど80代ということで、その通りの年齢の老人として描写しています。
場所はロンドンから少し離れた田舎町で、養蜂に日々を過ごすホームズがユダヤ人亡命者の関わる殺人事件を解決するというものですが、詳述は避けておきます。

やや分かりにくい構成かなとも思いますが、雰囲気は十分に原典を再現しているのかも知れません。